基礎知識
ラミネート加工について解説!ラミネートの種類や材料
ラミネート加工とは
ラミネート加工とは、プラスチックフィルムやアルミ箔、紙などの薄い材料を貼り合わせて層にする加工方法です。ケーブルや電線、テープなどの製品の表面を保護し、耐久性や機能性を向上させることができます。ラミネート加工には以下のメリットがあります。
- 表面の保護
- 耐久性の向上
- 防水・防汚性の向上
- 光沢やマットなどの質感の付与
ラミネート加工の種類・方式
ラミネート加工には以下の加工方法があります。
- ホットラミネート(熱ラミネート):熱と圧力を用いてフィルムを貼り合わせます。この方法は強度や耐久性に優れています。
- コールドラミネート:粘着剤を使用してフィルムを貼り合わせる方法です。ホットラミネートに比べて手軽に加工できるうえに、費用が安く抑えられます。
- ウェットラミネート:水溶性の接着剤を用いてフィルムを貼り合わせる方法です。吸水性のある基材に適しています。
- ドライラミネート:フィルムに接着剤を塗布し、一度乾燥させてもう一方の材料と熱圧着する工法です。耐熱性が求められる製品や包装資材に適しています。
樫の木製作所では、上記の内、ホットラミネート加工(熱ラミネート加工)とドライラミネート加工に対応しています。
ラミネート加工に使用される代表的なフィルム材料
ラミネート加工に用いられる材料は、プラスチックフィルム、アルミ箔、紙などです。プラスチックフィルムにはポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニール(PVC)の種類があります。 PET(ポリエステル)は表面が硬く傷つきにくく、透明性に優れています。PVC(ポリ塩化ビニール)は伸縮性があり、貼り付けが容易ですが、UVカット品が多く透明度はやや低いです。PP(ポリプロピレン)は耐薬品性と透明性に優れています。
代表的なラミネートフィルム
代表的なラミネートフィルムは、フラットケーブルや電線、高速伝送ケーブル、シールドテープ、装飾用の粘着テープなどに使用されます。ラミネートすることで耐久性が向上し、また、電線に使用すると絶縁体として耐久性を高めることができます。ラミネート加工された電線は通常の電線よりも耐摩耗性や耐水性に優れています。また、車載用や高電圧用のケーブルなど、様々な用途にも使用されます。
ラミネート加工に使用する設備
ラミネート加工には一般的に、ラミネーターと呼ばれる機械が使用されます。ラミネーターは加熱されたローラーやプレスプレート、圧力調整機構などを備えた機械です。この機械を使用することで、ラミネートされたフィルムやシートが被加工物の表面に密着し、ラミネートされた状態になります。
また、複数の素材を組み合わせるために接着剤が必要となりますが、この接着剤を均一かつ精密に塗布するために塗工機が使用されます。ラミネーターを選定する際には、加工するサイズ、厚さ、および加工スピードなどが重要な要素となります。
(参考)小型塗工機

ラミネートフィルム加工の技術
薄物ラミネート加工(2.5μPETx6μCU)

当社では低張力に優れた塗工機を用いてわずか2.5μm厚のPETなど極薄素材をラミネート加工することが可能です。またそれぞれの材料を選定し、厚みに合わせた乾燥条件の設定・配合条件選定などをすることで、お客様からの難仕様要望にも対応しています。
ラミネートフィルム加工の事例
フラットケーブル用 ホットメルトの一部粘着仕様

フラットケーブル用のハンドリングのための持ち手について、相談を頂きました。
コネクタ実装時にフラットケーブル扱う際、持ち手が必要であり、機能性テープを巻き付けることにより、持ち手とされていましたが、機能・作業性の点から全面粘着ではなく一部粘着仕様にしたいとのご要望がありました。フラットケーブルに巻き付けるため、粘着テープとする必要がありましたが、接着剤を用いると常温であっても剥がれる場合があり、今回はホットメルトシートにて貼り合わせることを提案しました。
ラミネート加工のことなら「機能性テープ・フィルム加工 課題解決センター」にお任せください!
ラミネート加工は、電子機器、医療機器、自動車部品など幅広く活用されています。ラミネート加工に関することでお困り事や質問等ございましたら、「機能性テープ・フィルム加工 課題解決センター」までお問い合わせください。
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