基礎知識
フィルムのスリット加工とは? 方式・使用基材・巻き方について
フィルムのスリット加工とは
フィルムのスリット加工とは、フィルムの原反をスリット刃で細かくカットする加工のことを言います。カットしたあとは、ロール状に巻き取ります。加工自体は、シンプルな工程となりますが、素材によってスピードなどの細かな調整が必要となることから、高い技術も求められます。こうしたフィルムのスリット加工は、製品の多様な需要に応えるために重要な工程となっています。当社では、テープの張り合わせからスリット加工まで一貫して対応しております。
フィルムのスリット加工 基材の種類(フィルム・テープ)
フィルムのスリット加工
フィルムのスリット加工は、大きなフィルムロールを指定された幅に細かく切断するプロセスです。柔軟性があり、引張強度が高いことから包装材、食品包装、医薬品包装、工業用フィルムなど、多様な用途で使用されるフィルムを製造するための加工方法です。フィルムは包装や保護を目的が多く柔軟で幅広い材質を扱い、均一な切断が求められます。
テープのスリット加工
テープのスリット加工は、粘着テープや特殊テープなどを所定の幅に切断する工程です。主な用途には、工業用テープ、電子部品の固定、家庭用の粘着テープなどが含まれます。また、絶縁材の貼り合わせや電子部品の貼り合わせなど用途は様々です。テープは固定や接着を目的とする製品が多く、粘着材が強いテープの加工や粘着材をカバーする離型フィルムを考慮した加工が求められます。
フィルムスリット加工に使用される主なフィルム材料
PET(ポリエチレンテレフタラート)
特徴・機能性
・高い耐熱性と耐衝撃性を持ちます。
・高い引張強度と剛性を持ちながらも柔軟性があります。
・耐薬品性に優れており、多くの化学物質に対して耐性があります。
用途
・ドリンクボトル、食品容器、繊維、衣料品、カーペットなど
Cu PET(銅ペット)
特徴・機能性
・導電性:銅箔の高い導電性を活かし、電気回路やフレキシブル基盤に使用されます。
・柔軟性:PETフィルムの柔軟性を保持しつつ、導電性をもっています。曲げや折り曲 げに耐えるフレキシブルな材料です。
・耐熱性:Cu/PETフィルムは高温環境にも耐えることができます。一部の電子機器や、 自動車のエンジンルームなど高温環境にも適しています。
用途
・電気回路(フレキシブル基盤・電子機器・ディスプレイ基盤)
・電気絶縁材(トランスフォーマー・コイルの絶縁体・EMIなど)
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)
特徴・機能性
・フッ素樹脂の一つで、耐熱性やすべり特性に優れています。
融点は約327℃で、使用可能温度域は-250℃~-260℃です。
・プラスチック素材の中で最も小さい摩擦係数のため、すべりやすく
高加重や低速度での使用が可能です。
用途
・パッキン・化学プラント・理化学機器
フィルムのスリット加工の巻き方
細かくカットしたテープを巻き取る方法には、2種類あります。
レコード巻きスリット
レコード巻きとは、芯の上に同じ位置で1列に重ねて巻いていく方法です。 紙や粘着テープ、フィルム、金属箔を任意の幅へレコード巻きで巻き上げます。レコード巻きのメリットとしては、機械の準備時間が短いことが挙げられます。その分、加工費もトラバース巻きに比べて割安になることがあります。当社では、3mm以上から量産で対応可能です。巻き取りコアは1インチ〜4インチとなります。
トラバース巻きスリット
ミシン糸や釣り糸のように、芯の幅方向に対してテープを移動させながら巻いていく方法です。【長く巻ける】、【崩れにくい】というメリットがあります。そのため、テープの付け替え回数も少なく、加工ロットが多ければ加工費も抑えることができます。当社では、3mm幅以下のマイクロスリット加工にも対応しております。0.1mm単位で任意の幅へ仕上げることが可能です。
当社のフィルムスリット加工の設備
フィルム両面テープ用二軸スリッター
原反幅:1020mmまで対応可能な、当社の中では幅広型の両面テープ用の二軸スリッターです。当設備におけるスリット幅としては、最小6mmまでの実績があります。当社では、スリッター装置を9台保有しており、多様な要望のスリット加工に対応いたします。
フィルムスリット加工のことなら「機能性テープ・フィルム加工 課題解決センター」にお任せください!
フィルムスリット加工は、フィルム原反をスリット刃で細くカットする加工技術です。電子機器、医療機器、自動車部品など幅広く活用されています。フィルムスリット加工を行う際は、高度な技術と設備が必要になります。フィルムコーティング加工に関することでお困り事や質問等ございましたら、是非「機能性テープ・フィルム加工 課題解決センター」までお問い合わせください。